第二は古代の貴重品であった神津島の黒曜石の存在である。神津島は伊豆半島の約60kmの沖合にあり、本島とそこに付属する支島に複数の産地が存在する。神津島の黒曜石が旧石器時代から本州に渡っていた事実は、旧石器から縄文時代にかけての遺跡出土の石器を、蛍光 X 線分析した結果、神津島の黒曜石と同定されていることから確かである。舟がないと神津島に到達することが出来ないため、これは世界的にもこの時代に船の存在を示す古い証拠となっている。加えて伊豆半島と神津島の間には黒潮分流が平均時速4kmで流れており、それを刳舟で越えるのはちゃんとした舟、熟練した航海術とかなりの漕力を必要としたと考えられている。(引用終了)