北海道の葬式に見るアイヌ風習の影響(アイヌ系と日本人)

北海道の葬式に見るアイヌ風習の影響(アイヌ系と日本人)
ブログ仲間が、「北海道の葬儀の様子」で、「通夜」に「本葬」よりも人が集まることを紹介しておりました。
私の経験ですが、日本の葬式では、夜に行われる「通夜」は身内や隣近所の人がとりあえず集まる儀式の感じかと思います。そして、次の日か数日後の昼に行われる「本葬」にほとんどの関係者が集まる感じか思います。
北海道で「通夜」に多くの人が集まるといのは「通夜」が大事なことなのだと思います。そして、何故「通夜」が大事かと想像すると、それはアイヌの風習の影響でないかと思いました。関連し、通夜とアイヌの関係につい今回は愚考します(笑)。
「通夜はあの世へ行く儀式で縄文時代からある」、とアイヌの習慣の研究をもとに哲学者の梅原猛が明らかにしたことを、前回(2日前)紹介しました。
北海道には古くからアイヌが住んでおり、アイヌには「通夜」だけが葬式でした。その後、仏教式葬式が入りましたが、仏教式葬式は、あの世でなく極楽浄土に送る儀式ですから、アイヌの習慣に慣れてきた人たちとは関係のない儀式になります。
小生の個人的な思いでも、私は東北の出身ですが、仏教式の葬式は形式だけのもので重要と感じている方は少ない感じがします。すなわち、北海度道で通夜に多くの人が集まるのは、それが重要であり、アイヌの習慣の影響なのかな、と思うしだいです。
関連し、最近のDNA研究(Y 染色体ハプログループ分類)を見ますと、Sasaki & Dahiya (2000)が、アイヌ系(ハプログループD)の割合は、旭川で65%と報告しております。すなわち、旭川の例ですが、3人に2人はアイヌ系で、北海道では現在もアイヌ系の人が圧倒的多数であることを示唆しております。そして、これが北海道の葬式、通夜に多くの人が集まることに反映しているのだと思われます。
なお、上と下の写真は記事と関係ありませんが、自然との共生をめざしている我が菜園の最近の収穫物と菜園の様子です。無農薬ですが、まったく問題ありません。今日も台風接近の予定ですが、今年は豊作の感じです(笑)。
DNA研究、Y染色体ハプログループ解析とは?
参考までに、Y染色体ハプログループ解析について、初めての人のために紹介しますと、次のような感じです。
男性か女性を決める染色体にXとYがあります。XYが男性、XXが女性になるわけですが、Y染色体は男性にだけあり、父親から男の子供に引き継がれることになりますので、そのY染色体をたどると父親のルーツが分かることになります。
このY染色体は、巨大なDNA配列の塊からできておりますのでそのDNAの配列から種類を細かく分類でき、人類の祖先のDNAを分類するのに最適と言われております。
たとえば、Y染色体ハプログループがD型ですと、それはアイヌに多い型ですので、その人の男親のルーツはアイヌ系となります。そして、このD型という分類は、10万年経過しても、マイナー変化はありますが、D型のままで変わることはありません。


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