まとめ 7.日本人の宗教は自然崇拝の多神教(縄文思想と日本人)

まとめ 7.日本人の宗教は自然崇拝の多神教(縄文思想と日本人)
拙ブログでは、日本人のルーツと関連し、日本人の宗教や考え方についても愚考しております。関連し、今回は、日本人の宗教について、これまでの記事をまとめます。
多くの見解をまとめますと、日本人の宗教は、世界3大宗教(1神教)とは別の宗教、すなわち、自然崇拝を基本とする多神教(原始宗教)に分類されるようです。
私ことですが、世界で暮らしたとき、入国カードに宗教欄があり、仏教徒(Buddhist)と書いてきましたが、それは便宜上でした。私の田舎の実家は曹洞宗の檀家になっておりますが、敬虔な仏教徒ではありません。習慣としての仏教徒であり、仏教を信じているわけではありません。
私、あるいは日本人の多くが怖れているもの、それは、地震、雷、洪水などの自然災害です。その災害は自然の神様が怒ったときに現れると感じています。また、美しい四季の景色は神様の贈り物と思っています。このため、自然の至るところに神を感じ、美しい山を見ればお祈りし、美しい川を見ればお祈りし、その美しさが永遠であることを願い、山や川を汚すことを嫌います。
その日本人の畏れ(宗教)を如実に表現しているのが家を建てるときの地鎮祭と思います。神様のお許しを得るという意味で地鎮祭は欠かせません。もし、地鎮祭をしないで事故が起きたら大変です(笑)。
このような日本人の宗教観は縄文時代からあると推察されています。それは、縄文時代から生きているアイヌの人々の宗教から分かったことです。アイヌの自然との共生思想は有名ですが、同時に、日本人の多くも持っている思想です。
日本には、10万年前から人類が住み着いていたことが遺跡から分かっています。その遺跡はアイヌが残したものと思われますが、アイヌが日本に住み着き、そのなかで育まれた宗教が自然との共生思想と思われます。その後、マレー系民族が来ました。そして、ツングース系民族が来ましたが、日本人になるなかで、同じくこの宗教を持つようになったと思われます。
その意味で、日本の宗教は、民族の違いを越えて、美しい自然と厳しい自然の中で育まれた独自のものと思われます。
その後、仏教、儒教、キリスト教が入ってきましたが、日本の宗教は10万年という気がとおくなるような時間を経て形成された思想ですので、それらを受け入れても同化はしなかったのが真相と思われます。すなわち、新しい宗教は神様の中の一人として受け入れられただけでした。
一方、こうした日本人の宗教が世界で役立つのか議論されていますが、意味があると言う意見もあります。因みに「バカの壁」(養老孟子)にありますが、キリスト教とイスラム教の間には1信教の壁があり、お互い理解できない、このため戦争ばかりしてきたということが書かれております。日本人なら、まず受け入れ、理解することができる、という感じでしょうか。
また、私ことですが、アフリカで働いたときは、日本人の自然崇拝の宗教が役立ちました。彼らも同じような宗教をもっていたからです。例えば、西アフリカ現地の宗教です。彼らは、まず自然の神々を崇拝するブードウ教徒でありますが、同時にキリスト教徒、あるいはイスラム教徒でもありました。このような関係は、日本人の宗教、そしてインド発祥のヒンズー教にも認められます。
関連し、日本人と同じスタイルを持っている宗教を上の地図に示しました。これは、私の海外経験からまとめたもので、詳しく調べたものではありません。
一方、下の写真は、自然との共生を目標に楽しんでいる我が菜園の野生種ナワシロイチゴの実りです。日本人は、このような季節の実りを楽しんできました(笑)。


以上、日本人の宗教のまとめ愚考でしたが、拙ブログ左側にありますカテゴリー欄の「縄文思想と日本人」をクリックしますと、今までの関連記事を見ることができます。

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