縄文時代の富士山噴火の影響は栃木と埼玉で大きかったようだ
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縄文時代の富士山噴火の影響は栃木と埼玉で大きかったようだ(縄文時代と日本人)
縄文時代後期、4000年前~3000年前、関東では、地球寒冷化による植生変化、そして富士山爆発による火山灰の影響で人口が激減したことを紹介しました。関連し、今回は、富士山噴火の影響は栃木と埼玉で大きかったことについて愚考します。
文科省の参考資料(平成24年度 周知の埋蔵文化財包蔵地数)のデータを使い、火山灰の影響を縄文時代から弥生時代の遺跡数減で見ますと下表のとおりです。

この表では、弥生時代の遺跡数が縄文時代の遺跡数よりもすべての県で減少していますが、この原因は、縄文時代晩期の寒冷化による植生の変化と火山灰の影響で縄文時代の人口が減り、その結果、弥生時代の遺跡数が減ったためと推察されます。すなわち、縄文時代に人口の減った県は弥生時代に入っても回復は直ぐにはできなかったと考えられます。
そして、「弥生時代遺跡数/縄文時代遺跡数」の割合で特に数値が低い県は、寒冷化だけでなく火山灰の影響が特に強く、このため弥生遺跡の数も少なかったと見ますと、このような県として栃木の15%と埼玉の13%があげられます。
栃木県については火山灰土に由来する黒ボク土地帯として有名ですが、この火山灰が縄文時代晩期に降ったのか文献では分かりませんが、検討中です。
そして、埼玉は最も減少した県ですが、埼玉の中心部は関東平野で最も低い場所にあり、火山灰の影響、さらには植生の変化の影響などいろいろな悪影響が特に強く、人の住める場所が少なかった可能性があります。
関連し、埼玉のように低地の多い東京、千葉も18%と低くなっています。一方、茨城は25%で、千葉の北側にありますが、ここまでは火山灰は届かなかった可能性が高かった、と思われます。
そして、神奈川は36%と高く、ここは植生の変化も火山灰の影響も最も少なかった地域と観ることができます。
一方、内陸部の群馬は茨城と同じ25%で、ここは、植生の変化の影響だけだったという感じでしょうか。
以上、関東各県の縄文時代晩期の植生の変化と火山灰の影響愚考でした。関連し、それらの状況を上トップの図で示しました。

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