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日本語のルーツはアイヌ語とマレー語(日本語のルーツ)

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レインボー
韓国語と日本語のルーツ(図)


今回は、日本人のルーツと関連し、日本語のルーツについて愚考します。

いろいろな専門家の報告をまとめますと、日本語のルーツはアイヌ語になるようです。拙ブログでは、アイヌ系の人達が10万年前頃から日本に住みつき、日本に広がったと予想しておりますが、そのアイヌ系の言葉が日本語のルーツになるというのは当然のことかもしれません。

そして、1万年前頃、マレー系の人々が来ました。マレー系の言語は、文法はアイヌ語と違いますが、移住者は、現地の言語に従うのが一般的ですから、マレー系の人もアイヌ語を使うようになり、新縄文人になったと推察されます。

一方、私はマレーシアに3年間住んだことがありますが、マレー語が日本語に似ていることには驚きました。例えば、人はオラン、米はナシ、魚はイカン、餅菓子はクエ、名前はナマです(笑)。カタカナがマレー語ですが、カタカナの発音でそのままマレー語になるのです。

このようにマレー語の発音が日本語に近いことから推察しますと、マレー系の人々が日本に住みつく過程で、その影響が残ったものと察します。因みに、マレー系の割合は日本では32%(Hamer 2005)もあり、その影響は少なくなかったと思われます。

一方、文法が日本語に近いと言われる韓国語ですが、そのルーツはツングース語(モンゴル語系)にありますので、日本語と違う言語と結論されます。

そこで、モンゴル語(ツングース語、韓国語)と日本語(アイヌ語)は何故、文法が似ているかですが、Y染色体ハプログループの解析ではモンゴル系はCグループ、アイヌ系はDグループで、CとDは同じA祖先型からからほぼ同時期にアフリカで発生したことから、ルーツが近い関係にあり、言葉も似ていたのではないかと、推察されます。これらの関係を上の地図に示しました。

関連し、「日本語=同化言語と縄文体質」という記事がありましたので、勝手ながらリンクさせていただきます。本記事では日本語とポリネシア言語の類似性が紹介されていました。ポリネシア言語がマレー系の言語に近いことから推察しますと、両者の類似性はあるのかな、と思いました。

また、日本語と朝鮮語の関係を膨大な資料からまとめた貴重な記事「古代日本語と朝鮮語の関係」がありましたので、勝手ながら参考資料としてリンクさせていただきます。

なお、下の写真は記事と関係ありませんが、我が菜園に自生(共生)して咲いている5月の花の様子です。

菜園の花5月1

菜園の花5月2


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レインボー
Posted byレインボー

Comments 6

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KID
日本語とアイヌ語は系統が異なります

最新の言語学の研究によると、日本語と最も近縁な言語は朝鮮語とニブフ語のようです。この2つの言語と日本語が分岐したのは5千年~1万年前ぐらいになるようです。日本語とアイヌ語と分岐したのは1万年以上前のようです。ちなみに日本語と沖縄の琉球方言は1千年前に分岐したとようです。
これは文法体系、共通語彙(各品詞の語源まで調べた上)、発音体系から分析すると分岐年代が判明します。但し、1万年以上前になると分岐の年代の特定は難しくなるようです。

ちなみにアイヌ語を縄文語とすると、日本語とは大きくかけ離れた言語のようです。アイヌ語は抱合語という文法体系になります。抱合語はおそらく人類が最初に話した言語という説があります。基本的にはS(主語)とV(動詞)のみにて表現できる言語です。おそらくはアフリカで生まれた狩猟採集民の言語であったようです。現代ではシベリアからカムチャッカ半島の言語であり、エスキモーを含めた南北アメリカ大陸では話されている言語にもなります。また、ヨーロッパにおけるバスク語(印欧語系とかけ離れた言語である)も元々は抱合語であった説もあります。

では、日本語のルーツをを探ると、膠着語である日本語の源流は、以前は文法体系が類似しているアルタイ語系と発音体系が類似しているオーストロネシア語系のクレオール的言語とされていましたが、現代日本語の各品詞(特に名詞、動詞、形容詞)の語源を調べていくと、この2つの言語由来の共通語彙が少ないことが判明しました。現代日本語で話されている語彙の語源は次の3つの言語由来が多数を占められているようです。ウラル語系、シナチベット語系、オーストロアジア語系になります。そこで、日本語の成立にはこの3つの言語が大きく影響したことになるようです。近隣のアルタイ語系とオーストロネシア語系の影響と比較して、より遠隔地にあるウラル語系とオーストロアジア語系のほうが共通語彙が多いという結果が判明しています。加えて、今までは影響が少ないとされていたシナチベット語系も多いようです。 共通語彙はこの3つの言語の影響が顕著ですが、文法体系と発音体系はウラル語系がベースとなっているようです。この3つの言語以外の共通語彙ではアルタイ語系、オーストロネシア語系、アイヌ語系が次に多いようです。ちなみに朝鮮語は日本語と異なりウラル語系よりもアルタイ語系の共通語彙が多くなり、ニブフ語ではウラル語系よりもアイヌ語系の共通語彙が多いようです。シナチベット語系とオーストロアジア語系の共通語彙は日本語と変わらないようです。この点から考えると日本語は、おそらく中国東北部から朝鮮半島あたりで発生した言語であると思われます。

  • 2021/05/15 (Sat) 12:31
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KID
日本語とアイヌ語は系統が異なります2

中国文明は従来は黄河文明が発祥であるとされていましたが、その後相次ぐ遺跡の発掘により、華北の遼河流域と華南の長江流域にて発生した文明の存在が注目され、黄河文明と同時期に全く系統の異なる2つの文明があり、黄河文明がこの2つの文明を吸収していって中華文明となったとしています。

遼河文明は、約7千年前にはじまりYハプロN系統の民族が担った文明であり、主に雑穀農耕主体でしたが、5千年前ぐらいから遼河流域の砂漠化がはじまっため移動を開始し、一部は北上してトナカイの放牧を主体とした遊牧民となり遠く北欧まで移動していったとされています。この人々が現代のウラル語系民族になります。また一部は南下して朝鮮半島あたりまで進出したようです。当時の中国東北部から朝鮮半島には、長江文明を担った人々が北上してきており、彼らは水稲耕作主体のYハプロO1系統であり、この遼河文明人と長江文明人が交雑して弥生系が生まれたのではないかとしています。また、この人々が後年の高句麗や百済を建国したとしています。また、遼河文明の近隣にいた狩猟採集民のC2系は、このウラル語系のN系と交流することで元々の言語の抱合語から膠着語のアルタイ語系の言語に変化していったようです。このC2系は主に朝鮮半島東側に渡来して、弥生系と交雑して新羅を建国していったと思います。ですから現代朝鮮語は新羅の言語の系統になりますから、アルタイ語系の影響が強くなるようです。

ではこのN系の遼河文明人に農耕技術と言語を伝えたのは、最新学説では、北ルートを通り、メソポタミア文明、インダス文明を担ったドラヴィタ系であったのではないかとしています。理由としては言語が膠着語で文法体系は酷似しており、加えて小麦中心の雑穀農耕を行ってきた民族です。また、母系相続を基本としてきた民族なので、Yハプロではその痕跡を探るのは難しいようですが、遼河流域では、現代でもドラヴィタ系の子孫と思われるJ系が比較的存在しています。彼らはドラヴィタ族と同属の民族であり、東アジアにてはじめて農耕文化をもたらしたのではないかとしています。

次に、長江文明人はO系統が主体であり、孤立語を話した民族であることは判明しています。この孤立語である言語の発生については不明な点が多いですが、人類の言語の中で最も進化した言語であるとしています。各品詞(特に動詞)の変化がないし、時制もない言語です。単語が固定した意味しかなく、語順の変化や流れによって意味を判断する言語です。つまり助詞、助動詞、前置詞等の各品詞をつなぐ品詞が存在しません。 この長江文明人が南下してインド北部あたりまで水稲耕作文化をもたらしたのがO1a系であり、北上していた人々はO1b系統になったようです。

黄河文明は、後年の周の時代まではQ系統主体の民族であったようです。言語は、はじめは今日のQ系の言語である抱合語でありましたが、農耕技術の導入に伴い、膠着語や孤立語に変化していきました。特に長江文明を担ったO系統が多く進出して孤立語のO2系統が生まれて、漢の時代以降にはO2系統が主流となっていきました。

このように中国古代の3大文明が日本語成立や農耕技術、更には日本人のDNAにも深く影響したと思います。

  • 2021/05/15 (Sat) 15:24
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レインボー
レインボー
Re: KID様、日本語とアイヌ語は系統が異なります

KID様
いつも本質に迫るコメント、ありがとうございます。

日本語のルーツについては、拙ブログの記事のとおり、変更はありません。
日本語がツングース系言語がルーツというには、成立過程に問題が多すぎます。

アイヌ系言語に、マレー系やツングース系の言語が加わり、現在の日本語に至ったと思われます。
おそらく、その過程でツングース系文化の影響を受けたことは間違いないと思われます。
草々

  • 2021/05/16 (Sun) 11:24
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レインボー
レインボー
Re: KID様、稲作のルーツと民族

KID様
たびたびの貴重なコメントありがとうございます。

拙ブログと関係する稲作のルーツと民族ですが、ご指摘の長江文明と深く関係しております。その民族は越族(マレー系)と思われます。言語との関係ではO1系(マレー系)とO2系(中国民族系)であり、近い関係にあると拙ブログでも指摘しています。

一方、「ではこのN系の遼河文明人に農耕技術と言語を伝えたのは、最新学説では、北ルートを通り、メソポタミア文明、インダス文明を担ったドラヴィタ系であったのではないかとしています。」ですが、まだ説でないかと思われます。
草々

  • 2021/05/16 (Sun) 14:16
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KID
ウラル系とツングース系は異なる民族です

そもそも日本語がツングース系言語とは言っていません。
日本語のルーツはウラル語系にあるとしています。ウラル語系民族はN系を主体とした遼河文明を担った農耕民族であり、ツングース系民族は、C2系を主体とした元々狩猟採集民族であり、一部は遊牧民族化したアルタイ語系話者です。ウラル語系とアルタイ語系は、文法体系は共通ですが、共通語彙が大きく異なる点です。これはこの2つの言語の発生過程が大きく異なる点からきているからです。

この両者は居住地が近かったため交雑はありましたが、文化的、言語的、形質的にみても、ゲノム分析においても異なる民族です。例えば、ウラル語系民族は、全人類の中でも肌の白い民族であり、東欧から北欧にかけて移動してコーカソイドの肌の白色化にする遺伝的影響を与えたとしています。ちなみに、南欧から中欧の白色化に影響を与えた遺伝子は中東由来のようです。この2つの遺伝子が影響するまでヨーロッパ人の肌は黒かったようです。ツングース系はそこまで肌は白くなくアメリンド系に近い肌色です。

前述した点から考えてみて、我々日本人は遼河文明人の末裔の可能性があるということです。つまり水稲耕作を取り入れたウラル語系民族の末裔に、日本語話者、朝鮮語話者、ニブフ語話者はなる可能性が高いです。この3民族の共通項としては、言語の系統(アルタイ語系ではない膠着語)とYハプロのO1b系が多くいることです(この3民族はO1b系が20~30%)。それと。元々のハプロであるN系が少ない点まで共通しています。遼河文明人の主体であるN系が少なくなった点を考察すると、水稲耕作を取り入れる時点にて母系相続が基本であったため、N系が減り代わりにO1b系が増えたように見えます。特に日本は元々母系相続が基本であった点は、律令政治下の戸籍にシングルマザーが多い点、平安貴族の通い婚、初期の武士の嫡男は母の身分により決まる点(源頼朝が嫡男となったケース)等、母系相続の名残は中世のはじめぐらいまで続いたようです。また、おそらくニブフは一度は水稲耕作を取り入れたが、寒冷地の気候条件のため放棄したと思います。

遼河文明人は、大きく3つの系統に分けれたのではと思います。北進していた人々は北欧まで到達して、東欧から北欧の人々に遺伝的影響を与え、南下して黄河流域まで行き中華文明に合流した人々もいたと思います。東進した人々は水稲耕作を取り入れて弥生系となり、中国東北部から朝鮮半島を経由して日本列島まで到達したと思います。

また、最新の日本人のゲノム分析でも、遺伝的に近い民族は、朝鮮人や華北人になるようです。中国華南以南の東南アジアの人々とは大きく異なることが判明しています。

  • 2021/05/16 (Sun) 19:31
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レインボー
レインボー
Re: KID様、ウラル系とツングース系は異なる民族です

KID様
たびたびの貴重なコメント、ありがとうございます。

また、「ウラル系とツングース系は異なる民族です そもそも日本語がツングース系言語とは言っていません。日本語のルーツはウラル語系にあるとしています。」について、理解しました。

しかし、この主張ですと、日本語のルーツ(基本)はアイヌ語という多くの言語学者の見解とまったく異なります。
また、N系が少ない日本において、どのようにウラル系が日本語のルーツになりうるのか、説明できていません。

また、細かいことですが、遼東半島は寒く、稲作に適していません。歴史的事実としては、稲作が確認されるのはその南の山東半島までです。その意味で、遼河文明は日本の稲作の基本になってはいません。

日本の水田稲作は松菊里遺跡のある朝鮮半島南部を経て伝わったというのがほぼ定説になっています。
草々

  • 2021/05/17 (Mon) 07:57
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