朝鮮半島由来の日本人は25%と思われる
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レインボー
朝鮮半島由来の日本人は25%と思われる(日本人のルーツ)
最近のDNA情報で、日本人のモンゴル系の割合は10%でなく5%程度であることを前々回紹介しました。
一方、朝鮮半島の民族はツングース系であることが知られております。ツングース系のルーツは満州(中国東北部)で、モンゴル系と中国系の混合混血から生まれた民族ですが、日本へは、これら朝鮮半島のツングース系が移住してきたことになります。詳しくは「北方系民族故郷の満州とツングース」を参照願います。
また、拙ブログでは、「ツングース系の人達は日本人の30%になった」と紹介したことがありますが、これは前々回報告で25%に変更しました。
また、朝鮮半島には、日本人と同じくマレー系の人々が30%ほどいます。彼らは水田稲作を導入したマレー系の人々でツングース系ではありませんが、現在は朝鮮語を話し、朝鮮半島の人々の一部となっています。
今回は、新情報を基に、日本に来た朝鮮半島の人々の割合について愚行します。
まず、最近の朝鮮半島民族のY染色体ハプログループの割合(%)は下表のとおりです。なお、Wikipedia情報にはデータ数(サンプル数)が少ない問題がありますので、前回紹介の「Y染色体で探る日本人の起源」のデータも入れました。

そして、この表をもとに、日本と朝鮮半島におけるツングース系の「モンゴル系:中国系」の割合を計算しますと下表の通りです。

サンプル数の大きいデータ(Y染色体で探る日本人の起源)で見ますと、「モンゴル系:中国系」は、日本で1:3.5、朝鮮半島で1:3.6です。すなわち、日本と朝鮮半島の値がほぼ同じで、サンプル数の少ない他のデータも、これに準じた結果となっております。
ツングース系民族はモンゴル人と中国人の混合混血民族ですが、以上の結果は、その割合が同じことから観て、日本に来たツングース系民族は朝鮮半島の人々とほぼ同じであったと思われます。
一方、朝鮮半島にはマレー系民族もいて、これらの人々がツングース系と同じように日本に来た可能性があります。このことについて検討しますと、次のように考えられます。
前回、朝鮮半島と日本に、マレー系は、稲作系のマレー系Bと海洋系のマレー系Aが居たことを紹介しました。マレー系Bは、韓国に20%、日本に10%ほど居ますが、水田稲作を持ち込んだグループと思われます。
この理由として、日本と朝鮮半島の稲作開始時期が3000年前であり、ほぼ同時に始まったことが考えられます。そして、水田稲作農民は一度定着すると基本的に定住する傾向があることから、朝鮮半島のマレー系Bは日本へは移住して来なかった可能性が高いと思われます。
一方、マレー系Aは、韓国で10%、日本に20%ですが、前回紹介のように縄文時代から日本に居たことから、朝鮮半島から移住してきたというより、日本で増殖し、海洋交易の関係で、一部が朝鮮半島に移住した可能性があり、どちらとも言えません。
また、古代国家「百済」が水田稲作地帯にあったことから、マレー系は後の「百済国」の主要民族であったと思われます。そして、マレー系民族の国「百済」が660年に滅びたとき、多数の難民が日本に移住してきたという説がありますが、日本に亡命してきたのは記録によれば2千余人とあり、数万人というような多数でなかったようです。詳しくは「百済亡命移民は何故東国に移されたのか」 を参照願います。
まとめますと、朝鮮半島から日本へ来た人々にマレー系は少なく、ツングース系が主役で、その割合25%だった思われます。
ツングース系25%を大きいと見るか小さいと見るか微妙な数字ですが、先に指摘しましたように、彼らは7000年前の縄文時代から来ています。しかし、少しずつ来たため、日本語への影響は小さかったと思われます。一方、その生業であります畑作は、日本に無かったものであり、影響が大きかったと思われます。
なお、ツングース系の日本移住については「縄文時代から高身長の人は居た」および「弥生時代における畑作のルーツ愚考」も参照願います。

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