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古代史捏造問題と日本国紀の評価

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レインボー

アケビ10月


古代史捏造問題と日本国紀の評価(ごあいさつ)

新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、拙ブログは2017年4月に始まりましたので、今年は5年目に入ります。

拙ブログのタイトルは「日本人の縄文思想と稲作のルーツ」ですが、日本人の思考様式は、縄文時代に育まれた「自然との共生」をベースに、聖徳太子が重要とした「和」の精神思想かと思っています。

当然のことながら、この思考様式には長所も短所もありますが、まだ追及が足りない感じをもっており、拙ブログではさらに追及したいと思っているところです。

一方、稲作のルーツですが、この方面は、ほぼ検討が終わった感じがします。すなわち、水田稲作はマレー系民族によって3000年前頃に北九州に持ち込まれ、2300年前の鉄器普及を契機に水田稲作は全国的に普及していったと思われます。

稲作で残された問題は、移植開始時期が不明ということがあります。移植には、田植え前に水と土を混ぜるという重労働の代掻きがあり、水田稲作と同時に入ったわけではありません。例えば、ヨーロッパの水田稲作ですが、乾田に播種し発芽後に水を入れるという古来の乾田直播を最近までしていました。

拙ブログでは、日本の移植栽培は平安時代中期ごろに始まったと観ています。そして、移植栽培が始まると、コメの生産力が上がり、人口が増え、律令国家から武士国家へ変わっていったのではないかと思っています。この方面はさらに検討する予定です。

最後に、年末に指摘しました「古代史の捏造」問題ですが、今年はさらに検討したいと思っております。関連し、小生の勝手な思いですが、この方面ではひとつの発見がありました。

それは「日本国紀」(2018 百田尚樹)の内容です。百田氏はたいへん有名な作家でありますが、日本会議というグループの主要メンバーと言われ、そのグループの内容かと思い、読むのをためらっていました。しかし、ベストセラーの歴史本ということであり、読んでみました。

その「日本国紀」の内容で邪馬台国の扱いが、次のようになっています。

「ところが、この邪馬台国がどこにあったのかは今でも不明である。遺跡や遺物から畿内説が有力だが、決定的とはいえず、九州説をとる学者もいる。私は、後述するいくつかの理由で九州にあったのではないかと考えている。」(引用終了)

すなわち、百田氏は、邪馬台国ヤマト説でなく邪馬台国九州説を支持しています。しかも、日本会議で一般的な「歴代天皇万世一系」を否定しています。これらのことに、百田氏は豹変したというような批判もあるようですが、日本会議のメンバーにも良識ある古代史観を持った方もおられることが分かりました。

そこで、今年は、この書のように、虚構を否定する古代史の書籍が増えることを期待しております。

なお、上と下の写真は、記事と関係ありませんが、我が菜園のアケビとクコです。いずれも我が国に自生している果樹ですが、アケビは縄文時代からの甘い秋の味覚、クコは縄文時代からの薬(不老長寿の実)として使われてきたものです。

関連し、私こと、乾燥させたクコの実をお茶にして利用しておりますが、その効果なのか、ここ10年カゼをひいたことがありません(笑)。

クコ11月

クコの実11月


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レインボー
Posted byレインボー

Comments 4

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kame-naoki

明けましておめでとうございます。

学校では弥生時代の特徴は水田農耕の開始、金属器の普及と教わったように思いますが、全国に拡がりを見せるのは大分後ではないかと個人的に思っています。

本年も宜しくお願い致します。

  • 2021/01/03 (Sun) 07:35
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レインボー
レインボー
Re: kame-naoki様、水田農耕、全国に拡がりを見せるのは

kame-naoki様
新年のご挨拶、ありがとうございます。

ご指摘の水田農耕、全国に拡がりを見せるのは後のこと、まったく同感です。
今年もよろしくお願いします。
草々

  • 2021/01/03 (Sun) 08:25
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motomasaong
あけましておめでとうございます

 百田尚樹の説は確かに正しいと考えます。

 ただし、日本の731細菌部隊は人体実験や生体解剖を実行していましたが、一方では胃がんの術式、大腸がんの術式、その他、様々な医療分野において貴重なデータを収集しており、これがアメリカで利用されて医学の発展に寄与した事実があります。
 ナチスの科学者も、虐殺にかかわりながら優れた科学技術を一方で開発していました。
 百田は狡猾で計算高い人間です。部分的にせよ歴史的に正しい事を主張していれば、良心的な学者、学問的事実、歴史的事実を追求する研究者も「百田氏は正しいことを言っている」と考えるだろうと十分理解しています。
 けれども、
「百田が歴史的に正しいことを言っている」から、
「ナチスの虐殺に協力した学者は人道的で良心的な人たちだった」
「731細菌部隊が人体実験したのは事実だが、実は良心的で素晴らしい人格者だった。百田をも評価すべきだ」と結論付ける事は出来ません。

 良心的な学者は、えてして学問的に正しいことを主張する人物を自分同様、良心的な人物だと考えがちです。けれども、私のように心理学や精神医学の素養のある人間にとっては、

「世の中のいわゆる著名人、財界人、政治家、文壇の大物は、時流の流れにきわめて敏感で計算高く狡猾であり、良心的な人物に見せかけ国民をだます手法にたけている。アメリなどでは、高度な心理学的技術が国民の洗脳に利用され、それは日本会議も同様であり、日本会議は大勢の弁護士や心理学者を駆使して組織的にメディア、ネットで国民を洗脳している。
 百田が良識ある学者であるかのようにみせかけておれば、百田の様々な差別発言、朝鮮人虐待や虐殺、慰安婦問題など、歴史を捏造している部分をも、信頼する人々が大量に出現するだろうという心理学的計算によって、今回は一見正しいことを主張している」と考えられます。

 ナチスの学者、731の医師、百田などの人物をなまじ「良識がある」としてブログで取り上げると、「百田は日本会議だが良識的だ。日本会議も良識的な人々がいる」と誤解する方が出るでしょう。
 こうした隠された意図、権力にすり寄り売名と見返えりを求める「著名人」は、いずれ歴史の闇に葬り去られ消える運命にあります。こうした人々を引用するのはおやめになった方が良いと思います。

 そうでないと、「レインボーさんは日本会議の百田を支持している」と考える人が出てきて、結果的にレインボーさんの中立性と学問としての公正さが傷つくことになります。


 計算高く残酷で狡猾な人間については、たとえ表面的に、あるいは部分的に正しいことを言っていても、距離を取ってノーコメントに徹しないと、学問的整合性も公正性もすべてが崩壊します。
 学問的な整合性を求められるなら、こうした思想的、人格的に問題のある人物の文献や意見を引用しない方が良いと考えます。

 ナチスや731の医師がどんなに優れた業績を残したとしても、虐殺と生体解剖の罪が消えることは決してありませんし、虐殺と生体解剖は決し手許されない最悪の犯罪です。
 百田がたとえその一点について正しいことを言っていても、彼が捏造しているあるいは捏造してきたあらゆる歴史的虚偽と差別が正当化されることはないのです。

 もし百田日本会議を取り上げるなら、彼の正しい言説だけではなく、歴史を捏造している部分、差別について、日本会議がやっている歴史捏造まで取り上げないと不当だと思います。また、そこまでやってしまうと、せっかくの純粋な日本の歴史考察と研究が台無しになります。
 思想的にはっきり右翼で歴史捏造を目的としている日本会議のメンバーを公正な学問の場で取り上げるべきではありません。

  • 2021/01/04 (Mon) 11:44
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レインボー
レインボー
Re: motomasaong 様、感謝

motomasaong 様
いつも示唆に富んだ貴重なコメント、ありがとうございます。

百田氏の著作物の評価に関し、ご指摘は大変重要、そして、その通りと思われます。
誤解を与えないよう、注意して評価して行きたいと思っています。
草々

  • 2021/01/05 (Tue) 07:17
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