ユダヤ人は日本に来たのか

ユダヤ人は日本に来たのか(日本人のルーツ)
千葉県芝山古墳群出土埴輪をユダヤ人として紹介している書籍「ユダヤ人埴輪の謎を解く(2019 田中英道)」が最近評判のようです。ブログ仲間からの紹介記事もありました。
しかし、見ると、そのユダヤ人埴輪は、拙ブログがケット人として紹介したことのある「人物埴輪」でした。詳しくは「ケット人は日本にも来た」 を参照願います。
再度紹介しますと、その埴輪は上図のとおりです。
関連し、今回は、「ユダヤ人は日本に来たのか」について愚行します。
まず、Wikipedia(日ユ同祖論)の「日本人とユダヤ人のY染色体」によれば、その一部ですが、次のとおりです。
上述の通りハプログループDとハプログループEは6万年以上も前に別れているため、日本人やユダヤ人などの概念が誕生する遥か前にD,Eの関係は絶たれており、数千年前という比較的近い過去の歴史において、日本人とユダヤ人が同一の祖先をもつ可能性はここからは考える事ができない。(引用終了)
すなわち、Wikipedia記事の説明では、日本人のアイヌ系(Y染色体ハプログループD)とユダヤ人(Y染色体ハプログループE)は「共通の特定の塩基配列(YAP+因子)」を持っていることは事実であるが、Y染色体ハプログループとしてはかなり離れており、同一民族とは言えない、となります。
さらに、何よりもユダヤ人固有の「Y染色体ハプログループE」は、日本でまだ検出されておりません。
以上のことをまとめますと、上記千葉県芝山古墳群出土埴輪をユダヤ人とする物質的根拠はありません。
一方、拙ブログでは、同埴輪は、鼻の高い特徴や髭が濃い特徴から、日本で僅かに認められるケット人(Y染色体ハプログループQ)がモデルでないかと指摘してきましたが、そのデータを再度紹介しますと下表のとおりです。

ハプログループQ は、Nonakaら(2007)が関東で1例、Hammerら(2005)が静岡県で1例見つけていることは、ケット人がその埴輪のあった千葉県近辺に居たことを如実に示します。今のところ、上記「人物埴輪」に想定されるDNAはそれら以外にありません。
ケット人については、北米の主要先住民族であることが知られています。関連し、拙ブログでは、彼らは、故郷の中央アジアから北米に渡る途中、一部が南下し、日本に来たと推察しています。関連し、このハプログループQ(ケット人)については、韓国にも僅かに認められています。
以上、まとめますと、ユダヤ人が日本に来たという物的証拠はまったくありません。本著でユダヤ人でないかと言われている千葉県芝山古墳群出土埴輪については、ケット人と見た方が妥当と思われます。

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