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日本各地に残るアイヌ語地名の謎(日本語のルーツ)

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レインボー
宮崎市江平の場所

日本各地に残るアイヌ語地名の謎(日本語のルーツ)

拙ブログでは、日本に最初に来た民族がアイヌ系の人々であったことを紹介していますが、関連し、今回は、日本各地に残るアイヌ語地名の謎について愚考します。

アイヌ系の民族が全国に居たことは、現存するアイヌ語に由来する地名からも、その足跡を見ることができます。

例えば、私は宮崎市に住んだことがありますが、宮崎市中心部にある江平という地名はアイヌ語に由来するということでした。

江平(えひら、えびら)の「え」はアイヌ語で海岸を意味すること、そして「ひら」は周辺(辺り)を意味するようです。すなわち、江平という地名はアイヌ語に由来し、昔そこは海岸だったことになります。

江平地区の工事をすると砂に交じって貝殻が出てくるのは、そのためだという、もっともらしい解説もありました(笑)。

そして、そのようなアイヌ語地名は全国に認められますが、アイヌの人たちはどこに行ってしまったのかが謎でした。一説では弥生人が来たので、東北や琉球の方に逃げたのだろうという説もありました。

しかし、最近のY染色体ハプログループ解析は、その謎を明らかにしました。その解析では、アイヌ系の人達のハプログループはD型ですが、D型は日本全国に認められます。

すなわち、日本全国に居たアイヌ系の人々は、逃げたのでなく、後に日本に来た他の民族(マレー系やツングース系)と共存し、混血し、縄文人となり、弥生人となって現代人になった、ということになります。

以上、日本各地に残るアイヌ語地名の謎愚考でした。

なお、関連し、上の地図は宮崎市の江平地区の場所です。



また、参考までに、Y染色体ハプログループ解析について初めての人のために簡単に紹介しますと次のような感じです。

男性か女性を決める染色体にXとYがあります。XYが男性、XXが女性になるわけですが、Y染色体は男性にだけあり、父親から男の子供に引き継がれることになりますので、そのY染色体をたどると父親のルーツが分かることになります。

このY染色体は、巨大なDNA配列の塊からできておりますのでそのDNAの配列から種類を細かく分類でき、人類の祖先のDNAを分類するのに最適と言われております。

たとえば、Y染色体ハプログループがD型ですと、それはアイヌに多い型ですので、その人の男親のルーツはアイヌ系となります。そして、このD型というDNA分類は、10万年経過しても、マイナーチェンジはありますが、変わることはありません。


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レインボー
Posted byレインボー

Comments 4

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cosmos
ひとつ、おたずねしてもいいでしょうか?

毎回興味深く読ませていただいております。
ところで、今回の
>江平(えひら、えびら)の「え」はアイヌ語で海岸を意味するとのこと、
江刺、江戸、入り江、また島などによくある江の浦という地名など、
なるほどと思いました。
ところで「井伊」や「紀伊」や「伊賀」の「伊」ですが、
前々から、当て字のように使われている「い」の音も
今回の記事を読ませていただきアイヌ語だったのかも?と思った処です。
よろしければ「い」がアイヌ語で何を意味するのかよろしければ教えてください。

レインボー
Re: cosmos 様、「い」がアイヌ語で何を意味するのか

cosmos 様
本質に迫るコメント、ありがとうございます。

「い」がアイヌ語で何を意味するのか、ですが、
確かにアイヌ語に由来する感じですが、私には分かりません。

アイヌ語辞書によれば、イ=私・我々、とあります。
草々


> 毎回興味深く読ませていただいております。
> ところで、今回の
> >江平(えひら、えびら)の「え」はアイヌ語で海岸を意味するとのこと、
> 江刺、江戸、入り江、また島などによくある江の浦という地名など、
> なるほどと思いました。
> ところで「井伊」や「紀伊」や「伊賀」の「伊」ですが、
> 前々から、当て字のように使われている「い」の音も
> 今回の記事を読ませていただきアイヌ語だったのかも?と思った処です。
> よろしければ「い」がアイヌ語で何を意味するのかよろしければ教えてください。

  • 2017/09/18 (Mon) 21:03
  • REPLY
cosmos
やっぱり、私、我々の意でしたか!

実は、そうではないのかと思っていましたので、それを確認できました。

なぜ、そう思っていたのかと云いますと、
以前読んだシュタイナー学の本に、
アルファベットの母音(AIUEO)は人間の出す音声で、
他の子音は自然界の音をなぞったもの。
その母音のA(ア)は、自然を発見した驚きの口の開きの音であり、
次のI(イ) は、その宇宙・自然に対峙する我の主体性を自覚した引き締まった口の開きである。
それが英語の1人称のI(私)。
 とあったと記憶していたからですが、

アイヌの「イ」も私の意である、とは、想像していた事とはいえ、
非常に不思議な一致を確認できた気持ちです。
おかげさまで、人が掴む音の象意は古今東西を問わずに、
ヨーロッパもアイヌも共通、無意識の内に通じていることが分かりました。
アイヌ語は非常に音霊が響く言葉だったという事なのでしょう。
その音霊が時を経て、今も地名や日本語の言葉の中に生き残っていて、
我々へ目に見えない力を与え続けているのですね。
ありがとうございます!

  • 2017/09/19 (Tue) 23:33
  • REPLY
レインボー
Re: cosmos 様、やっぱり、私、我々の意でしたか!

cosmos 様
たいへん貴重なコメント、ありがとうございます。

そして、たいへん意味のある本質に迫るコメントでした。

アイヌ系はアフリカを最初に出たグループと言われておりますが、
その言葉は、日本人のルーツだけでなく、世界の言葉のルーツにまで迫ることが分かりました。
ありがとうございました。
草々


> 実は、そうではないのかと思っていましたので、それを確認できました。
>
> なぜ、そう思っていたのかと云いますと、
> 以前読んだシュタイナー学の本に、
> アルファベットの母音(AIUEO)は人間の出す音声で、
> 他の子音は自然界の音をなぞったもの。
> その母音のA(ア)は、自然を発見した驚きの口の開きの音であり、
> 次のI(イ) は、その宇宙・自然に対峙する我の主体性を自覚した引き締まった口の開きである。
> それが英語の1人称のI(私)。
 とあったと記憶していたからですが、
>
> アイヌの「イ」も私の意である、とは、想像していた事とはいえ、
> 非常に不思議な一致を確認できた気持ちです。
> おかげさまで、人が掴む音の象意は古今東西を問わずに、
> ヨーロッパもアイヌも共通、無意識の内に通じていることが分かりました。
> アイヌ語は非常に音霊が響く言葉だったという事なのでしょう。
> その音霊が時を経て、今も地名や日本語の言葉の中に生き残っていて、
> 我々へ目に見えない力を与え続けているのですね。
> ありがとうございます!

  • 2017/09/20 (Wed) 07:16
  • REPLY