縄文人と弥生人ルーツ(日本人のルーツ)
「FNS27時間テレビにほんの歴史」(9月9日)で、「縄文人弥生人ルーツ世界中で似てる人探し」が報道されていました。テレビ報道と関連し、今回は、縄文人弥生人ルーツについて愚考します。
まず、そのテレビ報道では、縄文顔は南方由来として、バリ島に多いことを紹介していました。実際に日本人に似た顔が出てきました(笑)。
拙ブログでは、最近のDNA研究(Y染色体ハプログループ分類)で、日本人のルーツは、おおよそ、アイヌ系が35%、マレー系が30%、中国系が20%、モンゴル系が10%、その他5%であることを紹介してきました。
そこから推察しますと、バリ島の人々はマレー系の人々に当たります。因みに、Karafet (2005) のデータでは、バリ島におけるマレー系(ハプログループO1b)の割合は59%ですので、日本人の中のマレー系の人々(30%)のルーツがバリ島当たりにあるというのは本当だと思われます。
しかしながら、マレー系の人々は稲作民族であり、水田稲作を持ち込んだ人々ですので、彼らを縄文人のルーツと言うのには問題ありと言えましょう。実際に、テレビのバリ島風景ですが、稲作民族の象徴である棚田風景がテレビでは大きく映し出されておりました(笑)。
一方、弥生顔ですが、バイカル湖付近がルーツということでした。日本人のルーツがバイカル湖付近にあるというのは古くから指摘されてきたことですが、実際に日本人に似ている人がテレビに映し出されていました。
拙ブログでは、彼らは、北方系のツングース系の民族であり、モンゴル系と中国系の混合混血民族と紹介してきました。その意味で、モンゴル系10%と中国系20%の日本人(30%)のルーツがバイカル湖あたりにあるというのはある程度当たっていると思われます。
しかし、彼らツングース系の民族は畑作民族であり、弥生時代を作った稲作民族ではありません。彼らが朝鮮半島から水田稲作を持ち込んだという説は否定されています。彼らを弥生人と言うのにも問題ありと言えましょう。
なお、上と下の写真は、自然との共生を目指し、無農薬で野菜果樹を作っている我が菜園の秋の風景です。
DNA研究、Y染色体ハプログループ解析とは?
参考までに、Y染色体ハプログループ解析について、初めての人のために紹介しますと、次のような感じです。
男性か女性を決める染色体にXとYがあります。XYが男性、XXが女性になるわけですが、Y染色体は男性にだけあり、父親から男の子供に引き継がれることになりますので、そのY染色体をたどると父親のルーツが分かることになります。
このY染色体は、巨大なDNA配列の塊からできておりますのでそのDNAの配列から種類を細かく分類でき、人類の祖先のDNAを分類するのに最適と言われております。
たとえば、Y染色体ハプログループがD型ですと、それはアイヌに多い型ですので、その人の男親のルーツはアイヌ系となります。そして、このD型という分類は、10万年経過しても、マイナー変化はありますが、D型のままで変わることはありません。

日本史ランキング